人と話していて、ああこの人はボケとつっこみ、ということを
よくわかっているなあ、と言う人に出会うことは少ない。
さらに言うと、そのよくわかってない人に説明するのは意外と難しいような感じがする。
たとえば、「Aだね」「なんでAやねん!」
と言うようなやりとりをボケとつっこみの例として
紹介することは出来るものの、これは別にボケとつっこみ自体の
説明になっていない気がする。
これはたぶん、変な例で言うとSMに近いのではないかとか思った。
SMの例として「女王様とお呼び!」「女王様〜」というのを出すと、
なんだかなあって言う感じになるだろう(いや、わかんないけど)。
どこで聴いたのかは忘れたけど、別にSとMというのは
どっちが先という概念を表してなくて、先に声を発した方から始まる(らしい)
という一筋縄ではいかない辺りも似ている。
しかし、何より似ているのはこれが「ごっこ」であるという点である。
そしてごっこだからこそちゃんとやらなければいけない、と言う点も。
だからボケとつっこみをよくわかってる人はちゃんとボケるし、ちゃんとつっこむ。
ちゃんとって言うのはわざとらしく、と言う意味じゃない、
ちゃんとつっこむにはそれが形式になってはいけないわけで、
とっても臨機応変なつっこみになってしかるべき訳だ。
だから、特にお笑いに詳しくない人にボケとつっこみを教えると、
やっぱり表面的な浅いボケとつっこみになってしまうのも無理はない。
やっぱり演じ切れてない感じが残ってしまう。
知り合いの関西の人が4月に東京に来てからずっとなじめないと
言っていたけど、そんなことも原因の一つかな、とか思った。
幼少の頃から刷り込まれた民族と思春期以降の学習では
やはり差が出てしまうのもむべなるかなと言う話です。