2003年4月14日

男子校生。

大学に入るまではずっと共学で来たこともあって、
男子校(ないし女子校)的な空気を特に感じてこなかったのだけど、
大学に入ってまず最初に感じたことはそれに対する違和感だった。
それは結局4年間ずっとあったので、ことあるごとにリサーチを繰り返したり、
まとめたりしようとして、結局やめたりしてきた。

しかし、大学を卒業した今になってみると、
向こう側からすれば共学に対する違和感もあったろう、
みたいな遠い目線で見れる気がしたので、
社会人一発目の文章としては適当かと思われたので、書いてみようと思います。

ただ、女子校と共学の違いは私が男であることもあり、
いまいちまだ考えがまとまってませんので、ここではほとんどふれませんが、
女子校の女子は共学の男子を物足りなく思う、
と言うような意見を頂いたことがあります。


・クラス意識

共学と男子校ともに重要な要素がクラス意識です。
男子校などからすると、共学の生徒はさぞやカップルが多かろう、
などと思われがちですが、実際はおそらく(学校によるけど)、
一部の男子校の方がカップル率(もちろん外部と)が高いと想像できます。

なぜならば、好きな相手が同じクラスだった場合、
そこには高い障壁があるからです。告白に失敗したら、
成功しても、クラスで浮いてしまわないか、などなどです。
これは男女問わず共学ではこの感覚は強いようです。

それに対して男子校ではそれはありません。
そのため、男子校に対し共学は一般にオクテであることが多いようです。
もちろん個人差はありますので、これについては後述します。

オクテである、と言うことに理由にはもう一つあり、それは、
共学が自然と「女子はいつまでもそこにいる」という感覚を持っていることです。
これは男子校生が「女子はいなくなってしまう!」と思うのと裏表です。
これも見方を変えればクラス意識です。

・差異意識

共学の方が男女同権、男女平等、と言う感覚が強まると考えがちですが、
これは一面あっており、一面はずれています。
そもそも、男女にはあるていど差があるもの、ですが、
当然ずっと一緒にいた方がその差は毎日の生活の中で明確に理解されるからです。

だから、ずっと共学で来た人間だからと言って、
女子に気軽に話しかけられる、かと言えばそういうことでもありません。
同じ空間にいればいるほど差異意識が強まるケースも考えられるからです。
あ、意外と同じじゃないか、と言う風に差異を理解したり、違う、
ということを意識した上で話す、と言う試行錯誤がなされた共学の場合は、
ふつうに話しかけられますが、そうでない層はこのようなパターンになります。

むしろ、男子校生の方が気軽に話しかけることが多い場合もあります。
それは男子と女子、と言う区別があくまで観念にとどまるので、
結果的に男子に接するのと大差なくなるケースです。
男子校生で話しかけられないケースのほとんどは、
しばらく話していないうちに実際上の男女差よりも、
脳内の妄想上の男女差が大きくなってしまっている場合です。

このような場合でも、実際の相手にふれることによって、
それが克服される場合があるのに対し、
同じ空間にいながら全く女子とふれあう機会のないまま過ごした共学が、
そこから回復することはとても難しいと言えます。

・妄想

妄想は男子校生をとらえる上で重要なキーワードになります。
共学の男子に妄想があったとして、それはほとんど現実的なものにとどまります。
イメージよりも「ぶっちゃけ」な実際をみているからです。
男子校生の場合は一般的な女子像が妄想のもとになっているので、
荷物を持ってあげる、など共学よりも優しい、と言う場合も多いようです。
その反面男尊女卑、と言った形でそれが表れる場合もあります。

ほとんどの男子校生はこの類型のハイブリッドです。
つまり、とっかかりでは猛烈に差異が意識され、結構話しかけなかったりしますが、
多少うち解けてくると、男子的な気軽さが出てくる、と言うパターンです。

その逆のハイブリッドもあります。つまり、妄想上の差異が意識されているが故、
欲望が前面に押し出されて、女子とばかり話すタイプです。
あまりこのようなタイプは共学には見受けにくいです。
なぜならば、共学は常に男女両面の視線のもとで生活することになれているからです。
おそらく、このような欲望男子を見ても、男子校生にとくに「抜け駆け」意識を
持つことは少ないのではないでしょうか。
それに対し共学はクラス意識に絡んで、「抜け駆け」意識を持つ場合が多いのです。

・男子校臭さ

共学の生徒は「男子校臭さ」を鋭敏に嗅ぎ取ります。
それが違和感のもととなることが多いようです。

男子校臭さの類型には、
・体育祭の話をする
・クラスの隅でカードゲームなどをした話をする
・先生をいじめた話をする
などがあります。似たようなものとして、
・文化祭の話をする
・「肉」という言葉に反応する
・麻雀の話をする
がありますが、これらが共学でもよくあることであるのに対し、
前者はあまり共学ではありません。

なぜ、それらが共学にはないのか、というのは単に、
男子校が進学校に多い、と言うことに絡んでくるのかもしれませんが、
一つ一つある程度の理由をつけることができます。

まず、共学の体育祭が盛り上がることはまれです。
これはいくつかの理由がありますが、男子校の体育祭が、
キャーキャー言ってくれそうな女子がいないにもかかわらず盛り上がっている、
と言うことに集約できそうです。

カードゲームは、共学でカードゲームなどをしている層は、それが全校的に
大ブームになっているのではない限り(大貧民が流行ることはよくあります)、
間違いなくあらゆる意味で負け組ですので、そのことを共学が話す事はありません。
男子校の場合、カードゲームをやる層は別に負け組と決まったわけではありません。
これは女子の目を意識しないで済む以上、モテの観点では負けていても、
別に関係ないからです。

最後に先生いびりは共学ではクラスがまとまって行うことが
むずかしいため、起こりにくいです。
これは学校によって傾向が異なりますが、進学校では、
先生の能力を生徒が上回ることが多々ある、ということから
来ているのかも知れません。

・まとめ

このように、様々な面で男子校と共学は異なっています。
もはや就職してしまった以上、いまさら高校の話をすることもないと思うので、
これ以上の調査は難しいですが、この影響が30,40歳になっても
表れるのであれば、これは社会問題と言っても過言ではないでしょう。
皆様方の引き続きの調査をお願いいたします。

Posted by kent at 2003年4月14日 02:21