2005年1月 4日

東京都負け犬事情

tokyo_mikon2000.png

負け犬の話を最初に聞いた時、
東京都の女子の24-29歳の平均の未婚率が65%(2000年)だと言う話を聞いて、
これって、相当だよな、とか思って、しばらく特に疑問ももたずに
すごいなあーとか思ってて、それを持ってして勝手に、
もうみんな結婚しない時代なのか、とか思ってたんですが、
正月暇だったんで、原典に当たってグラフにしてみました。

この元データは2000年の国勢調査のものです。
未婚率の値は総数に対する未婚の割合を示しています。
読みづらいので、いちおうPDFも用意しました。

ぱっと見でわかるのは、常識的な知見だと思います。
つまり、24-29で平均を取った場合、女性は24-29の間に
結婚する場合がわりあい多いため、24の平均と、29の平均ではまるっきり数値が違うわけです。
すなわち、24の平均は90%近い値(86%)ですが、
29の平均は50%程度です。その二つを足して割ると、
だいたい65%と言うことになります。

なんで、この値を取ってみんな結婚しないという結論が導き出されるかというと
そんなことはなくて、過半数が女性の場合29-30の間に、
男性の場合、32-33の間に結婚する、と言うことになります。
だから、特にこのグラフはあんま面白くないですね。
しいていえば、男の34-35の間の駆け込み結婚がグラフ的に
よく見て取れるのがほほえましいです。

(そういえば、人づてに聞きましたが、
三島由紀夫は33歳で結婚したんですが、なんかエッセイかなんかで
その理由として、あと2,3年もすれば自分に若いという意識がなくなってしまうから、
と言っているらしく、まあ、その理由はともかく、
昔から33-35ぐらいで結婚したくなる男は多いようです。)


ついでなんで、23区(+一部市)別でグラフを書いてみました。
まず女子。
tokyo_female_mikon2000.png

こう見ると、わりと区ごとにばらけていることがわかります。
たとえば、30歳時点での未婚率一位の目黒は59%ですが、最下位の江戸川区は34%です。
見づらいんですが、上位は渋谷、中野などの山の手のようで、
下位は市部、下町のようです。ま、納得です。

あと、ちゃんと元データの属性を見てないんですが、
渋谷などは38時点より、39時点の未婚率が高いです。
これって離婚してるってことでしょうかね。配偶者死亡もあるでしょうが。
総数=未婚+有配偶+離別+死別なんですが、
離別以外のすべての値がこの辺で一貫して減っているので、
転居している可能性が高いですかね。
38で郊外に引っ越し、とか。

そうして、渋谷の女子は45歳時点で24%の未婚率です。
これはなんか、たしかに多い気がします。


そして男子。
tokyo_male_mikon2000.png

これを見た時、思わず笑ってしまったのですが、
ぶっちぎりで高いのは中野です。とくに、34-42の間がすごいです。
特に理由をくどくど解説しなくても、
何となく想像いただけると思いますが、
まあ、中野ってそういう街ですよね。趣味的な街です。

中野以外の区は34-35で駆け込み結婚が非常に多いです。
あと、40代後半の荒川区の追い上げがよくわからないです。
荒川区は警察庁長官が銃撃された巨大な高級マンションがある一方で、
日雇いのメッカでもあるので、40代超えた人口の流入があるのかも
しれません。

これらのデータは国勢調査のもので、
今年がちょうど国勢調査の年ですので、もっと、すごいことになっている、
と言うことは考えられますが、むしろ、負け犬云々言ってるのは、
今の負け犬層だけで、20代はわりと冷めて見ている、
と言う感じがしますので、今年はすごいとして、
今後はあんまりすごいことにならないというか、
いま30が境目になっているのが35になるとか
そういう変化にとどまるんじゃないですかね。

とどまる、とかいいつつ、35が平均になったら、
それはそれで劇的に少子化なんでしょうけど。
とりあえず、東京都は中野区を何とかした方がいい。


なんか、休みなのにExcel使って仕事してるのと
大差ないんですが、仕事と違うのは、
全く正確さに気を遣ってない点です。

Posted by kent at 2005年1月 4日 02:19