2008年1月 4日

東京都負け犬事情2008

tokyo_mikon_2005.png

3年前の2005年の年頭に、2000年の国勢調査を元に東京都の未婚率の
年齢ごとの推移をグラフ化してみたのですが、
2005年の国勢調査の結果どうなったか、というのは、
気になりつつも私のメインの関心でも無くなったうえに、
世間的にも特に負け犬だ何だというのはわりと風化してきていたので、
わりと放っておいたのですが、このたびちょっと時間を作ってまとめてみました。

■基礎情報
元にしたデータは2000年2005年の国勢調査の第五表、
「配偶関係(4区分),年齢(各歳),男女別15歳以上人口及び平均年齢(総数及び日本人)」
の東京都のものを使っています。
未婚率は総数を分母にした未婚数のパーセンテージです。
死別・離別は考慮に入れていません。

■考察
色が薄いものが2000年のもの、なのですが、
ぱっと見て20代の女性の未婚率がアップしているのがわかると思います。
前回、24-29歳の女性の未婚率の平均値が65%と書きましたが、今回は72%になっています。
これは前回書いたように、29歳で結婚している人が多いため、
全体として押し上げられている、ということなのですが、
2005年では30歳女子の未婚率は過半数を超えています。

そして、前回男子でのみ見られた、35-36の間の駆け込み結婚の傾向が
男女ともに見られていることがわかると思います。
つまり、これは晩婚化の進行、というやつです。

この傾向は差分だけをとったグラフを見ても明らかです。
tokyo_mikon_2005_delta.png
30歳前後の山の頂上が低くなって35歳の山が鋭角になっていることがわかります。

さらに、男性の未婚率というのは35を超えたあとは前回とほぼ同じで推移しているのですが、
女性の未婚率は前回よりも若干高い水準で推移していることがわかります。
つまり、全体として女性の未婚率が増加しているといえるでしょう。

ここで、もう一個グラフを見てください。
tokyo_mikon_2005v2.png

これは先ほどのグラフを10歳延長したものです。
50歳を超えた場合、女性の方は前回とあまり変わらなくなってきているといえます。
それに対して男性側、50を超えるとなぜか差が出てきていることがわかります。
つまり、前回調査時50歳だった男性は今回調査時55歳なわけですが、
その差1%程度しかありません。つまり、前回調査時50歳だった男性は
5年たった2005年時点で1%しか結婚していないことになります。

この、2005年時点で55歳近辺の世代のことを団塊の世代と呼ぶわけですが、
そうすることを選んだのだ、といわれるのかもしれません。


まとめると、
女性の晩婚化は5年前より確実に進んでいますが、35歳で大半が結婚する、
ということはいえます。36歳時点での未婚率はあまり変化がないです。
その時点で結婚しなかった男女も少しづつ結婚していきますが、
その後のカーブは若干緩やか目になっています。

少子化対策の観点からすれば、この「36歳前後で結婚する」
というのは死守すべきラインでしょう。
あと、傾向として「晩婚化」と「非婚化」というのは全然別の話のような気がしました。
そうして、この30前後の山と36前後の山、37以降でちびちび結婚していく山、は、
全然層が違うのだろうなあと思います。

Posted by kent at 2008年1月 4日 06:05

コメント(2)

なんらかの動機づけ(35歳で結婚すれば報奨金がもらえるなど)がない限り、35歳でいっせいに結婚するはずはありません。
カギは有配偶でも未婚でも死別・離別でもない「不詳」の数です。 未婚率が35歳で急減するのに有配偶率は35歳で急増しません。
これだけ不自然なら、集計そのものを疑ったほうが良いのではないでしょうか?

なるほど。ごもっともですね。
たしかに、同じデータで有配偶率を採るとなだらかなグラフになります。
国勢調査の元データのtableには「不詳」はないですが、
35歳の4分類の合計と「総計」の値は1万人ぐらいずれていますね。
34歳だとずれは500人くらいなので変な感じがあります。

建前通り全数回収できているわけでも無いでしょうし、
回収できていても未回答はあるでしょうけど、
35歳になった瞬間に答えたくなくなるというのも変なので、
集計時に何かしらの操作がされているのかもしれませんね。