2003年9月19日

ウケる技術

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757301782/

けっこう前に買っておきながらも、紙袋に入れたまま
放っておいたんだけど、Beltorchiccaで取り上げられてて、思い出した。

なんで買ったかっていうと、お笑いの教科書を書くとしたら
どんな風になるのかを考えていて、まさしくこれは、
そのつもりで書かれたのだと思ったから。

あと、これ自体がちょっと面白い。
「ダジャレ練習帳」と言う名著がありましたが、
そんな感覚かしら。本気で書いたバカ本というか。
体裁的にはビジネス・自己啓発書っぽい。

ここに挙げられているものは佐藤雅彦的に言うところの、
「ルール」であって要素還元的手法であって、
確かにすぐ応用できる、という点では参考書としては正しい。

ただ、お笑いの教科書として考えるとその点が甘すぎる感じ。
例えばここに出てくる「フェイクツッコミ」が笑えるとして、
それがなんでなのかはわかんないから、
それ以上応用のしようがない。
そこをすっ飛ばしているが故にわかりやすいんだけど。

だけど、よくある批判のように「フェイクツッコミ」が面白い、と言うことで、
誰しも「フェイクツッコミ」をするようになったら、
「フェイクツッコミ」は成り立たなくなる、かと言ったら、
そうでもない。「三村ツッコミ」みたいな感じで別の生命力を
与えられる方向性もあるわけで。

だからこそ、ここに載っている「技術」のライフサイクルまで
踏みこむと教科書的に正しいのかもしれないけど、
そこまでまじめに読む本じゃねえや。これ。


「コミュニケーションはサービスである」っていうのは、へー、って感じ。
この本はその観点で書かれてるから「ツッコミ」の定義が
「相手のおもしろさに気づいて拾う」なんだよね。
この定義は逆に新鮮。

以前「いろもん2」でツッコミ論の話になって、
今田耕司が「おかしなことを言ったのを軌道修正する」
鶴瓶が「本人が満足するぐらいしゃべった後でさらにその笑いをのばす」
仁鶴が「お客さんの気持ちイコールを言う。相手をつぶす方向でなくのばす方向」
と三者三様というか笑福亭流はまあ一緒か。
笑福亭流がまさに上の定義なので、あながち新しくもないのか。
ツッコミはwin-winの関係で!などというとコンサル会社っぽいですか。

Posted by kent at 2003年9月19日 02:06

コメント(2)

私もこの本を読みました。笑いの技術はわかるのですが、例のように使いまくるとよくわからない人になるような気がしてなりません。でもベースとなる笑いの技術はわかりました。手軽に読めるので軽い気持ちで読んでみてもいいかもしれません。

わたしはこの本の広告代理店臭さに嫌気がさして実は全部は読んでないのですが、
この本はむしろ表層の部分に重きを置いていて、ベースの部分はちっともわからないかなと思いました。
というかベースの部分というのは多分誰もわからないというのが正味の話なので、
その意味ではしょうがないのかもしれません。