始まりがあるものにはちゃんと終わりが用意されているわけで、
淡々と最終日を迎えています。淡々と最終日を迎えることに
もはや何とも思わないという心境ですらあります。
本谷有希子「幸せ最高ありがとうマジで!」より
「ねえ、この世には理由なんてないことがいっぱいあるのよ。いい加減、気づきなさい。
不幸は無差別に起こるんだよ。私たちが幸せになれないことに、特に理由なんてないんだよ」
私たちが幸せになれないことに、特に理由なんてないのであれば、
私たちが幸せになれることについても、特に理由になんてないのであろうと思います。
スープをたった今あたためていたのですが、そのままほったらかしにしてしまい、
焦げた具だけになってしまっていたところです。
こうして頼みの綱のスープがなくなってしまうことにも特に理由なんてありません。
さすがに今日くらいになると忘年会シーズンと相まって
電車などもとても混雑して浮き足だった感じが世の中などを包んでいるわけですが、
私はというとそそくさと帰宅してケーキを食べてこれから仕事をするという
よくわからない感じになっています。
周囲はバニラのクリームで、まんなかの紫は酸味のあるカシスのコンポートです。
バニラ味はとても好きなので、特に苦もなく食べ終えようとしているところです。
今年は例年以上に淡々度合いがつよまっているわけなのですが、
特に理由もなく毎年やる、ということは風物詩というか伝統行事みたいなことで、
儀式的なことになってきていて、特に当初の意図とかはどうでもよくて
単純にケーキを食べるという表象だけが残っている、というところが
ありがちなところではあります。毎年食べることになってるから、みたいな。
だとすると、それを毎年延々続けられると言うこと自体は幸せなことなのかもしれません。
その幸せなことの結果が膨満感という不幸なのにも特に理由なんてありません。
購入場所:有楽町
これを書いている時点でまだ食べ終えられていない、
というのは例年通りであって、あるよねー。という感じでもあるのですが、
それでもゴールが見えないまま朝を迎えるという膨満感が確約されている状況は
いかんともしがたいものがあります。
チャットモンチー「シャングリラ」
あぁあ 気がつけばあんなちっぽけな物でつながってたんだ
あぁあ 手ぶらになって歩いてみりゃ 楽かもしんないな胸を張って歩けよ 前を見て歩けよ
希望の光なんてなくったっていいじゃないか
とりあえずゆっくり食べるだけなのですが、
この場合の希望の光とは、なんてことを思ったりします。
スープ、とかかもしれません。
今日は仕事しながら取りに行かなければ行けない、というタイプの
ハードルの高い日程となっており、半ば強引に出てきて家でやりますとか
言う割には延々食べ続けていてまだメールすら見ていない状態ですが、
アメリカ人がバカンスの1月以上も前から自分のバカンス日程を知らせるがごとく、
私もケーキ週間を伝えてきたわけで、致し方ないところではあるかと思います。
ピエール・エルメは青山に店ができる前は赤坂のニューオータニ
に取りに行っていたものでしたが、昨今はというと青山の方にしています。
青山店は青山ブックセンターの近くにあり、例年はというと、帰りは表参道を眺めながら
帰っていたものですが、今日はそんな気分にもならす、そのまま地下鉄に乗り込み、
今に至っています。
周りを囲んでいるのはマカロンで、相当な数がちりばめられており、
それだけでおなかいっぱいというところに、なかなかしっかりとした
ピスタチオのクリームとスポンジ、さらにはイチゴのコンポートがはさまっています。
まだ10CMほど残っていますので、早く帰ろうと思った私の選択に誤りはなかったと言うことになります。
希望の光という名のマカロンはなくたってよかったかもなあ、とか思います。
購入場所:青山
食べているはずの日と書いている日付がずれていることからわかるように、
壮大に何もかもが間に合っていない、ということになっています。
簡単にいうと他に書かなければならない文章があったりして
それを書きつつもケーキの賞味期限は1日な訳で、とりあえず書くために
ケーキは一切れを残しつつもどんどん時間は過ぎ去るわけで、みたいな話です。
何かが間違っている、ということを例年この辺で思うわけですが、
その誤りがなんなのか、未だにその答えを見つけられていません。
オークウッドは例年行っていますが、春日部は非常に心理的な遠さを感じざるを得ません。
駅からも非常に遠いため、タクシーで向かったのですが、どこから来たのかと聞かれ、
「東京です」と答えている自分にある種の傲慢さ、なども感じつつ、
東京ではないだと思い直してはより遠さを感じるという次第です。
行きはタクシーを使うことが多いのですが、帰りはいつも歩いて駅に向かいたくなります。
これは私の中である種のセンチメンタルというか、懺悔みたいな儀式として
毎年繰り返しているものです。
毎年書いていますが、この上にのっているラズベリーは毎年おいしいです。
そのソースも甘酸っぱさを添えてはいますが、「アクセント」というほどではありません。
全体として調和した甘酸っぱさです。真ん中の部分はピスタチオのムースになっています。
それがムースである限り、ホール食べに何の心配もありません。
これは人類の叡智と言ってもいいんじゃないでしょうか。
購入場所:春日部
とりあえず小休止的な感じで例年入れているケーキです。
フルーツケーキなので会社でも食べられるため、夜ケーキが食べられない日などに
活躍していっている訳なのですが、このケーキの予約のメールがいつも10月くらいに来るため
なんだかんだで予約してしまう、というものです。
会社で食える、とか書きましたが、
洋酒につけ込んであるものなので、猛烈な酒のにおいをまき散らしながらの食になり、
どうなのか、と思わせるものもあります。
購入場所:インターネット
例年この期間中は仕事をあまり入れないようにしているのですが、
今年はというと明日も出社するというていたらく、ケーキ好きの風上にも置けない状況でして、
今日の時点でこの時間となると、ちょいと辛いものがあったりします。
何が辛いかというと、
今年のケーキの予約の配置はよく考えたつもりだったのですが、
無意識のうちにチョコを潜ませていたことには気づきませんでした。
チョコは鬼門、というのが定説なのですが、毎日ショートケーキというのも
辛いものがあり、一日くらいは織り交ぜたいというのが人情です。
トシ・ヨロイヅカといえば川島なお美の旦那さんの店で、ミッドタウンの店が有名ですが、
そちらには行ったことがなく、いつも恵比寿の方に行っています。
行く途中には有名なZESTや蟻月などがあり、ZESTは通りかかるたびに、
パーティ的なものをやっており、舌打ちをしたものでしたが、今日は何もやっておらず
平和的に通り過ぎました。
蟻月は有名なモツ鍋屋で大変予約が取りにくい店なのですが、以前新人に
2時間ほど電話させて行ったことがありました。そのときに、隣の個室というか、
カーテンで仕切られている隣の席にYOUがいて、私はすぐ声でわかったので、
後輩ももわかったであろうと思って、ああ、みたいな目配せをしたら、
ああ、なるほどみたいなそぶりを見せたので、芸能人だからと言って騒がないという、
東京人らしいソフィスティケイトがわかってもらえた、と思ったら、
トイレから帰ってきた後輩が、YOUですよ!となりYOUですよ!と騒ぎ出したので、
たいそうがっかりした。という思い出があります。
ケーキはというと、この断面の通りなのですが、
洋酒みたいなものが結構強いのと、アクセント的にオレンジの洋酒漬けみたいなのが
入っており、それもまた結構強い、というのがポイントです。
アクセント的に入っているものはホールで食う場合には
相当なインパクトがあるということは、みなさんにお知らせしておきたいところです。
購入場所:恵比寿
今年もやってきました。
去年何かの山を乗り越えてしまったと言うこともあって、
もう今年は至って平常心というか、食うか食わないか考えると言うこともなく、
日常かのように淡々とケーキを一つずつ食する、という気分です。
昨今はというと、新しいケーキ屋なども特にデパ地下以外で歩き回って探し回るということもなく、
そういう探求心の低下、みたいなところに自分の加齢などを感じるところですが、
せめてこの週間くらいはデパ地下じゃなくて、あえて日常行かないところに行きたい
という思いで予約をしたいという気持ちもあり、この自由が丘、という、
東京にずっと住んでおりながらこれまでなんだかんだで一度も行ったことのなかったところに
足を踏み入れようと思った次第です。
私の中の自由が丘イメージはもう少し代官山とかのイメージに近く、
どちらかというと「敵」に近い感じというかそういう感じだったのですが、
実際の自由が丘はというとおしゃれ下北沢というか、
ああいうごちゃっとした中のおしゃれみたいなそういう親近感のある感じでした。
モンサンクレール自体もケーキを食い始めたあたりで超人気店みたいな感じで、
いずれ行ってみたいと思いつつも、何かのついでに行くところでもないので、
まったく行く機会に恵まれず、いずれはとか思いつつも長い年月が過ぎていました。
その長い年月のせいなのか、12/20という別にクリスマス感の薄い日程のせいなのか、
自由が丘の盛り上がりに対して、モンサンクレールは比較的すいていました。
普通のケーキもいくらかあったので、ついでに買っていこうかしらとかいう
気持ちを押さえる感じも年齢のなせるわざです。
自由が丘とかに親近感などを覚えるというあたりも大学の時の私であれば、
全く考えられなかった部分ではありますが、いかんせん片手にはケーキがあるわけで、
親近感を置き去りにして家路を急ぐ感じです。
ケーキはというと普通のショートケーキではあるのですが、
非常になめらかな生クリームと、やわらかなスポンジ、など
基本的な部分のおいしさにくわえて、底のところにカスタードクリームが入っていて、
それが全体的なレベル感を押し上げている感じがしました。
今すいているにしてもおいしいものはおいしいです。
最初から自由が丘とかは向こうからしてみれば敵でも何でもなくて、
勝手に敵だと思って今日にいたって勝手に和解しているみたいなそういう
人生にもよくある感じだなあ、とか思いました。
購入場所:自由が丘
直前になってしまいましたが、以下のように予定しています。
12/20(土)モンサンクレール
12/21(日)トシヨロイヅカ
12/22(月)ホルトハウス房子のフルーツケーキ
12/23(火、祝)オークウッド
12/24(水)ピエール・エルメ
12/25(木)サダハル・アオキ
19からとか26までとか、1日2個とか言うことも頭をよぎったりしましたが、
よぎらなかったことにしました。